抗生剤が使えない歯肉化膿症|産婦人科コラム

抗生剤が使えない歯肉化膿症

2014年04月04日
 

『56歳Mさん。歯肉病でレーザー治療を受けているが、最近は症状が悪化。抗生剤が合わず歯科医からは「自己免疫力を上げるしかない」と言われ、漢方で何とかならないかと来院。』

Mさんは、生真面目な方でストレスも多く、以前に『四逆散(シギャクサン)』を数年飲んでいた方でした。しばらく、こちらは服用していませんでしたが、今回は『排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)』をまず2週間飲んでもらうことにしました。

結果はとても良く効いたようで、3ヶ所のうち、上の前歯と左上の奥歯の部分はほぼ完全によい。もうひとつの上の右の犬歯の部分はもう少しです。」と話されました。かかりつけの歯科医にも「歯周菌が冬眠?しているね」と言われたようです。数週間でかなり良くなったのですが、本人も継続を希望されているので、就寝前に一包飲んでもらうことにしました。数か月経って来院されたときは、症状も安定していりようでした。

通常の歯科治療に難渋している歯痛・歯槽膿漏・歯肉炎に『排膿散及湯』が有効な例はしばしばあります。『排膿散及湯』には確かに抗菌作用がしっかりあるようです。婦人科てきには、女性のバルトリン腺膿瘍の再発しやすい方や難治例にはよく処方いたします。長期で飲んでもらうと、再発しにくくなったり、再発しても症状が悪化しないと飲まれた方はおっしゃいます。また、化膿しやすいニキビなどにも応用されます。

化膿性疾患には現代医学では、抗生剤という武器が確立しており大変有効ですが、それと漢方薬を併用したり、Mさんのように、抗生剤がアレルギーその他の理由で使えない方には、セカンドチョイスとしての漢方薬はとても有効と思われます。

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医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
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