更年期障害と漢方薬(1)|産婦人科コラム

更年期障害と漢方薬(1)

2008年01月20日
 

『46歳Gさん。最近、熱くなったり、寒くなったりと体温調節がうまくいかない感じがする。頭もボーッとするし、職場の友人からは「ちょっと早いけど、更年期の症状なんじゃないの?」と云われ、ショックをうけて(笑)当院に来院。』

自覚症状は「胃が弱く、のぼせて、頭痛、立ちくらみがある。手足の冷えは特にひどい。疲れやすい、生理痛も強い。よく、青アザができる…」と多彩でした。

Gさんには、以前にも紹介したことがありますが、『当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)』をまず処方いたしました。

飲み始めて比較的早くに効果がみられ、「あまり疲れやすくなくなり、身体が軽く動くようになった」との事でした。生理痛も出血量が減り、以前よりも楽になって大変喜んでいらっしゃいました。ただ、「まだ、頭がボーッとするのと、毎日1、2回は急に体温が上がったのかと思うくらいに身体が熱くなって汗が吹き出ます。」が悩みのようでした。

これはいわゆる典型的な「冷えのぼせ」の症状です。そこで「突然カーッと熱くなって、汗だらけになる」という言葉をキーワードに『五積散(ゴシャクサン)』を追加処方したところ、実にうまく効いてしまいました。一ヶ月後は調子がいいので、「のぼせを感じたらのむように」と指導しましたが、本人は真面目に休み無くのんでいたようでした。

あるとき、Gさんは「一日三回はのめなくて、お昼を忘れて二回になることが多いのですが、調子はいいです。この前の生理もラクでしたし、三回のまなくてもいいのでしょうか?」との事。

回数を減らして大丈夫ならばそれでいいに決まっているのに、患者さんはよくこういう質問をされます。どうも「医者でもないのに自分勝手に判断するな」と怒られた経験がある人はおそるおそる報告する方が多いですね。

私は患者に「あなたの身体が一番正直に答えてくれるので、調整してのんで下さい。」というようにしています。のむのを忘れるのは体調がよくなった証拠ですから。

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医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
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