やさしい漢方コラム|北見産婦人科|中村記念愛成病院

やさしい漢方コラム

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ニキビ・吹き出物と漢方薬


ニキビは、ストレスや睡眠不足、あるいは月経前に生じて悪化することは多くの女性が 実感されていますが、漢方医学的にはその状態の大部分は「気滞(キタイ)」と「瘀血 (オケツ)」(以前の号参照)で説明されています。

ただ、ニキビに関しては身体の毒を皮膚から排除している状況と理解することもでき、 古くから、成人になってもニキビができる場合は「解毒体質」という言う方がされてきました。 「解毒体質」の人は、幼少期から中耳炎や副鼻腔炎などを患っていることが多く、どちらかと いうと頭部に炎症をかかえやすいとされ、皮膚の色が黒く皮膚のきめが荒い傾向にあるよう です。

このような体質においては、ニキビは炎症をおこして化膿しやすいので、漢方薬としては 『荊芥蓮翹湯(ケイガイレンギョウトウ)』を用いることが多く、ニキビの治療の基本薬 と云ってもよいお薬です。また『清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)』は、『荊芥蓮翹湯』 と同様に「清熱(熱を冷ます)」作用をもち、顔面にこもった熱を散らす効果があります。 顔面が赤いガッチリした体型で化膿しやすいニキビがある便秘の女性が一番の適応となります。

『桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)』は「瘀血」による症状を 抱えている女性が適応で、赤ら顔で肩こりや頭重感を感じることが多い人に有効ですが、 以前にもご紹介したように、まずは舌や皮膚の状態から「瘀血」があるかどうか確認が重要です。 化膿が強い場合には、『排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)』や『十味敗毒湯(ジュウミ ハイドクトウ)」など併用すると効果的です。また、ニキビの痕が残りやすい場合には、 強力な「駆瘀血作用」作用をもつ『通導散(ツウドウサン)』を加えたりもします。

漢方医学では、「肌は内臓を映す鏡」とも云われ、体調そのものが皮膚の変化をもたらす場合が 少なくありません。漢方薬によるニキビ・吹き出物の治療においても、いろいろな方向の ベクトルをもった薬が用意されており、その性状によって薬を試すことができます。

特に皮膚症状の場合には治療効果が目に見えるために、早い時期に症状に合った漢方薬に出会える 可能性があります。基本的には「熱をとる」「血行をよくする」という方向で治療することに なるので、その治療中は、できるだけ肌を涼しい環境に置いて、「瘀血」の原因となる寝不足 ・ストレス・高脂肪食など避ける習慣も大切です。

漢方薬の素材

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