性感染症は Sexually Transmitted Diseases の日本語訳で、略してSTDと言われています。これらは性的接触において感染する病気の総称です。現在、10代・20代を中心に増えてきています。
淋 病
この病気は、淋菌を病原菌とする病気です。淋菌は尿道や子宮頚管の粘膜を好み、性行為(セックス)によって膣内の粘膜に感染する代表的な性感染症の一つです。最近ではオーラルセックスによって女性の喉から淋菌が検出されるケースが増えてきているようです。淋菌は、身近に感染者がいる場合、感染者が使用したタオル類や浴室の床・浴槽の縁などからも感染する可能性があります。きちんと治療が必要です。
梅 毒
トレポネーマという細菌によって感染する、これも代表的な性感染症の一つです。感染経路は主に性行為(セックス)です。自覚症状がすくなく、潜伏期間が長いため、知らないうちに多くの人に感染させてしまう可能性があります。また感染したまま妊娠すると胎児に感染し、先天梅毒児となります。この病気は早めに治療すれば完治しますが、放っておくと脳の神経がおかされることもあります。
クラミジア
クラミジアは最も多い性感染症で、多くは、性行為により性器粘膜で感染し、尿道炎や子宮の炎症を起こしますが、自覚症状が少ないため病気にかかっていることに気がつかないことが多くあるため、近年問題になっています。お風呂場や空気感染などの間接的な感染はほとんどありません。内服薬で治せる病気です。セックスパートナーとともに治療の必要があります。
ヘルペス
水疱が出来、潰瘍となって非常に痛むことが多い病気です。ウィルスが病原体です。単純ヘルペスウイルスに感染してもほとんど場合、すぐには症状が現れません。感染してから数年~数十年後に症状が出る場合があります。唇に多く出来るタイプと性器に多く出るタイプと水疱瘡のウィルスが原因の帯状疱疹ヘルペスの3種類が知られています。 いずれも、抗ウィルス剤を使って直します。何度も再発することがあります。 早めに治療を開始すれば症状が軽くて済むので症状が現れたらすぐに受診することが必要です。
トリコモナス膣炎
主にオーラルセックスを含む性交渉で感染します、顕微鏡で見える大きさのトリコモナス原虫が病原体で、おりものが多くなり非常に痒くなりますが、自覚症状が出ないこともあり、いつ感染したか分からない事が多い疾患です。膣内に入れる薬と内服薬でなおりますが、セックスパートナーの治療もする必要があります。
毛じらみ
感染後、平均1~2ヶ月で、陰毛の痒みとして自覚することが多く、陰毛に付着して、皮膚の血液をすって成長します。毛じらみは肉眼で見ることが出来ます。コンドームでは防ぐことが出来ず、陰毛を剃ると退治できますが、剃らなくても薬で治療できます。セックスパートナーの治療もする必要があります。